ファインクリスタルウッド+コートforWOOD工法の紫外線(UV)カット効果を説明するのに紫外線(UV)について説明いたします。
紫外線とは地球上に降り注ぐ太陽光線の一種(電磁波)のことです。紫外線は波長の長さによりUV-A(紫外線A波)、UV-B(紫外線B波)、UV-C(紫外線C波)に分類されます。
UV-Cはオゾン層に吸収され地表に届くことはないため、UV-AとUV-Bが私たちが日常 浴びる紫外線となります。UV-Aは 波長が320~400nmの紫外線で、着色剤に褪色や変色などの劣化を与えます。UV-Bは波長が280~320nmの紫外線で、塗膜及び樹脂含浸層にチョーキングやひび割れなどの劣化を与えます。
完全無機ガラスの「コートforWOOD」は石英ガラスそのもので、この「常温安定ガラス」は紫外線劣化しない上にUV-B(紫外線B波) をある程度吸収します。
「コートforWOOD」を直に木材に塗ると硬い塗膜が木材と合わず割れてしまいます。
下地処理材の役目を果たす「ファインクリスタルウッド」が「コートforWOOD」の施工を可能とし、さらに相乗効果で性能を向上させます。
一般につかわれている有機塗膜および有機樹脂含浸層は空気や水、紫外線などの影響を受けて劣化します。
ファインクリスタルウッドが形成する無機質塗膜及び無機質樹脂含浸層には耐候性の高いガラス質ハイブリッドの樹脂が採用されています。
さらに紫外線の影響による劣化を防ぐために採用されているのが紫外線吸収剤です。石英ガラス膜及び界面層の遮蔽を免れたUV-B(紫外線B波)とUV-A(紫外線A波)を遮ります。塗膜のチョーキングやひび割れなどの劣化を防ぎ、さらに褪色や変色を抑えます。
このガラス質ハイブリッド塗膜及び樹脂含浸層は、覆った基材(木材)を保護し、つや・色を保ち、光暴露による物性や強度の低下を防いでくれます。
有機物である木材表層部の光吸収による劣化は、塗布する樹脂に290~400nmの紫外線領域で大きな分子吸光係数(ε=約104)を持つ光に対して安定な化合物を添加することにより抑止できます。紫外線吸収剤はこのような機能を持つもので、分子内水素結合をしやすい基本骨格をもつものが多く使われています。ファインクリスタルウッドにはこのような紫外線吸収剤が採用されています。
紫外線遮蔽剤は光が樹脂含浸層内部に達するのを防止するだけでなく紫外線吸収に関与します。カーボンブラックが最も代表的なもので、これには紫外線遮蔽効果だけでなく紫外線を熱に化学変化させます。酸化チタンは紫外線散乱剤の効果があり、これも着色剤に採用しています。
ファインクリスタルウッドにはこのような紫外線遮蔽剤が紫外線吸収剤とともに着色剤として採用されています。
ファインクリスタルウッドのみの施工でも高い耐候性が維持されます。