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効果

(1)どこに新規性があるのか?(従来技術と比較して何を改善したのか?)

・従来技術のけい酸塩系表面含浸材のうち、主に使用されるけい酸ナトリウム系は、水が存在する条件下で、コンクリート中の水酸化ナトリウムと反応して形成されるカルシウムシリケート水和物によって、空げきを充填する。この改質機構により、ひび割れ充填、コンクリート表層部の緻密化に対応していた。
・新技術は、ケイ酸アルカリに適切な触媒を配合したA液を、適切な施工方法でコンクリートに含浸させることにより、カルシウムイオンとの反応後、コンクリート内部に不溶性のガラス物質を生成する。このガラス物質で空げきを充填することにより、表層部を緻密化し、二酸化炭素の侵入を抑制する。
・次に、UVカットポリシロキサン撥水剤のB液を含浸させることにより、コンクリート表面に撥水層を形成する。
・A液とB液の両方の改質効果により、コンクリート表層部において、水・塩化物イオンの侵入を抑制し、塩酸等による化学的侵食を抑制する。
 

(2)期待される効果は?(新技術活用のメリットは?)

【品質】
・不溶性のガラス物質による空げき充填により、表層部緻密化・中性化抑制効果等が長期にわたり持続する。
・不溶性ガラス物質による改質後、UVカットポリシロキサン撥水剤を塗布することにより、従来技術の評価基準以上の劣化抑制効果が付与される。
・浸透系改質工法なので、コンクリート躯体内部に水分をとどめない。
・UVカットポリシロキサン撥水剤を塗布することにより、防汚効果が付与される。
 
【工程】
・けい酸アルカリの反応において、従来技術は湿潤養生が必要であったが、新技術は不要であり、施工性が向上する。
 


新技術と従来技術の比較(けい酸塩系表面含浸材は、一般的なナトリウム系を想定)

項目  ファインクリスタルS&TOP工法  けい酸塩系表面含浸材 
改質機構  不溶性ガラス物質による空げき充填+ポリシロキサン撥水層で改質層を形成  カルシウムシリケート水和物による空げき充填 
品質  ①不溶性ガラス物質による効果持続性②評価基準以上の劣化抑制性能②防汚効果③表層部緻密化④ひび割れ充填  ①評価基準同等の劣化抑制性能②表層部緻密化③ひび割れ充填 
工程  施工前の事前散水や、湿潤養生が不要  事前散水や湿潤養生が必要 


評価基準と性能グレードの比較表