1.ガラス塗料とは
ガラス塗料とはテレビ、マスコミがつけた名称で、研究者の間では常温ガラスという名称で
呼ばれています。
常温ガラスは1液もしくは2液タイプのシリカ溶液で、常温施工により各種基材に硬質で密
着性に優れた非晶質のセラミックス膜を形成する常温硬化ガラス型塗料・常温ガラスコーテ
ィング剤です。
この被膜は可撓性に富み、紫外線に強く超耐久性を発揮するとともに、不燃性、撥水性、
耐透水性、耐薬品性、耐汚染性に優れています。
2.常温ガラスの組成
成分中含有ケイ素成分(SiO2)が換算で40重量%以上で必要に応じて顔料や骨材などが
配合されます。尚、本組成物は無溶剤で、しかも水もしくは水酸基もまったく含有しないシリカ
溶液(ガラス塗料)を作成する事ができます。
成分 1) 液状で無溶剤のオルガノポリシロキサン
2) 官能性側鎖 アルコキシシラン
3) イオン化された金属化合物(有機、無機)及び触媒
3.常温ガラスの硬化機構
成分中のオルガノポリシロキサン官能基が、下記に示す反応課程の一例の様に、第一段で
空気中の水分により加水分解を受けて水酸基に変化し、第二段で該オルガノポリシロキサン
の水酸基をオルガノシロキサンの官能基がアタックし、触媒の作用もあり、脱アルコール反応
を起こし、3次元構造の高分子化合物のポリシロキサン硬化体を形成すると考えられています
すなわち、加水分解、脱水縮合の反応が促進される結果、常温領域において分子構造が安
定化し金属酸化物ガラスが得られるものと考えられます。

4.ガラス化の証明
ガラス塗料は常温で安定するガラス液であり、光触
媒を持つ組成系であるSiO2系のガラス系の為、アナタ
ーゼ型チタン酸化物(粒子)を必要とせず、アモルファス系にて光触媒機能をもっております。
また、従来のゾル-ゲル・有機系コーティング材には
不可能な各色・各材へのコーティングの成膜が可能
となります。
配色原料中のSiO2 CONTENT量は、
57%〜64%であり、ガラス化の時点では、SiO2単
位の場合は99.7%で、このガラス化状態を実証す
るデータは、図1、図2の通りです。 |

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ガラスは結晶化せずに固形化する、いわゆる非晶
質(Amorphous)の構造です。下記のグラフはガラス塗料が安定化して生成したガラス膜をX線解析したものです。「山なりがひとつ」の分析結果がガラス化(非晶質)である証明です。 |
参考:石英ガラスの分子構造
非晶質(Amorphous)構造 |
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5.ガラス塗料の特性
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成分 |
SiO2 |
塗布最大膜厚 |
13μm |
耐熱温度(℃) |
700 |
硬度 |
9H |
比重 (25℃) |
1.05 |
pH |
5.0 |
屈折率(ベッケライン法) |
1.43 |
体積固有抵抗
(at25℃、Ω−cm) |
1014 <
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液中ガラス成分(%) |
57 |
●物質特性
外観 :淡黄色液体
粘度 :40cp
臭気 :アルコール臭
保存性:開缶後密閉状態
で6ヶ月
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これはガラス塗料の塗膜が石英ガラス
である証明でもあります。 |
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常温ガラス、ガラス塗料は今まで石油化学製品である有機塗料では全く考えられなかった効果が認められると同時にまったく無害な、常温硬化ガラス型塗料です。 |
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